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華のしずく~あなた色に染められて~
第30章 【剣(KEN)~華のしずく~】 闇に喚ばれし者
屋敷内の女は殆ど隼人のお手つきだと言っても良く、夜毎に屋敷を出て若い娘を手込めにした挙げ句、斬り殺すなどというおぞましい所業を始めたのは、かれこれ三月余りほど前のことになる。
隼人が屋敷を抜け出すのは、たいてい夜四ツ(十時)頃と決まっている。おそのが無残な最期を遂げて以来、ここ数日、新たな被害者は出ていない。龍伍は大きく息を吸い込んだ。無意識の中に腰に手をやると、あの長刀に触れた。