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華のしずく~あなた色に染められて~
第30章 【剣(KEN)~華のしずく~】 闇に喚ばれし者
秀吉は家臣砂山時治に命じて、自らが切腹して果てた後、本仁寺に火を放たせた。自分の屍を他者にさらし、首級を取られぬためである。当主によって代々継承される青龍刀こそは、名門羽柴家の主の証(あかし)であった。秀吉のゆくところ、青龍刀ありと謳われたごとく、天下人秀吉の名と共にこの天下の名刀はその存在を広く知られることになる。
戦場で青龍刀をふるう秀吉の姿は、さながら剣舞を見るがごとく優美であったが、反面、彼はひと太刀で敵を切り伏せたと云われるほどの剣の使い手でもあった。
戦場で青龍刀をふるう秀吉の姿は、さながら剣舞を見るがごとく優美であったが、反面、彼はひと太刀で敵を切り伏せたと云われるほどの剣の使い手でもあった。