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華のしずく~あなた色に染められて~
第3章 【華のしずく】~夏雷~
「そうじゃ。その強い支配者とは、例えば、かつて鎌倉幕府を開いた源頼朝公、足利幕府を開いた足利尊氏公といったような優れた為政者のことよ。血族同士があい争い、同盟を結んでも何の意味もなさぬ、そんな乱世を終わりにするには、争う者同士を押さえ束ねる者が必要だ。諸将を押さえ込むには、強大な力が要る。珠々、わしがいつかそちに申したのは、そのことよ」
「と、申しますと?」
 珠々が小首を傾げる。信成は笑った。
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