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華のしずく~あなた色に染められて~
第4章 【華のしずく】~試練~
珠々は大きく頷き、信成の次の言葉を待った。信成は小さく吐息を洩らす。
「羽柴が申した同盟の条件は二つある。一つはこの国で産出する砂金を格安―通常の流通値より三分の一以下であやつの国に売ること。そして、もう一つは」
ここで信成は一旦言葉を止め、珠々を見つめた。その眼に再び、言いようのない感情がよぎり、珠々は息を呑む。信成は哀しげな表情でひと息に言った。
「そなたを盟約の印、つまり人質として差し出せというものであった」
「羽柴が申した同盟の条件は二つある。一つはこの国で産出する砂金を格安―通常の流通値より三分の一以下であやつの国に売ること。そして、もう一つは」
ここで信成は一旦言葉を止め、珠々を見つめた。その眼に再び、言いようのない感情がよぎり、珠々は息を呑む。信成は哀しげな表情でひと息に言った。
「そなたを盟約の印、つまり人質として差し出せというものであった」