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第4章 【華のしずく】～試練～

　信成は天性の戦上手だが、若さもあってか、短気直情的なところがある。また、情に脆い面もある。それは人間としてはこの上ない美点であり魅力だが、戦国乱世を武将として生き抜くためには決定的な弱点でもある。一方の羽柴秀吉という男、詳しくは知らぬ珠々でさえ、話を聞くだけで、どこか不気味な底なし沼のような男だという印象があった。近づけば、瞬時に沼の奥底へと引きずり込まれそうな、そんな危険に満ちた男なのではないか。