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華のしずく~あなた色に染められて~
第5章 【華のしずく】~永久(とこしえ)~
はるか上段―恐らく、その場所が秀吉の御座所であろうが―には、やはり金色の屏風が飾られており、天翔ける竜が極彩色で描かれている。竜は、今にも咆哮を上げ、屏風から抜け出してきそうなほど迫力に満ちていた。
いかほど待たされたであろうか、漸くはるか上段に人の座する気配がし、珠々は両手をつかえ頭を下げた。
「面を上げよ」
低いけれど、よく響き渡る印象的な声であった。珠々が形式的に面を心もち上げると、上座から同じ声が聞こえた。
いかほど待たされたであろうか、漸くはるか上段に人の座する気配がし、珠々は両手をつかえ頭を下げた。
「面を上げよ」
低いけれど、よく響き渡る印象的な声であった。珠々が形式的に面を心もち上げると、上座から同じ声が聞こえた。