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華のしずく~あなた色に染められて~
第5章 【華のしずく】~永久(とこしえ)~
秀吉が退室した後、珠々もまた小姓に促されて千畳座敷を出た。磨き抜かれた長い廊下を辿っている時、先に立つ小姓がふと立ち止まった。年の頃は十二、三の、まだ前髪立ちの美しい少年であった。確か秀吉は藍丸と呼ばわっていたが―、その藍丸が突如として振り返って言った。
「先刻は一体いかなることになるかと案じました」
大方、珠々が秀吉に青竜刀を突きつけたことを指しているのだろうと思われた。
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