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華のしずく~あなた色に染められて~
第5章 【華のしずく】~永久(とこしえ)~
後に、珠々(またの名を珠子(たまこ)、お珠(たま)とも称した。十八歳で剃髪して後は法名を貞心院と号する)は、かつて考えたとおり、この場所に朱雀神社を建立した。社内のやしろの傍には一本の石榴の樹を植えた。土地の人々はそれを〝佐竹神社〟とも呼び、子宝や安産の神として、多くの女性の信仰を集めた。
今もこの小さな神社は、ひっそりとその場所に佇んでいる。―それは、紛うことなく、珠々と信成が初めてめぐり逢った川のほとりであった。
今もこの小さな神社は、ひっそりとその場所に佇んでいる。―それは、紛うことなく、珠々と信成が初めてめぐり逢った川のほとりであった。