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華のしずく~あなた色に染められて~
第6章  雪の華~華のしずく~
 秀吉は英雄色を好むの諺の如く、十指に余る美女を常に身辺に侍らせていた。一説には、その側室の数は生涯にわたって、ゆうに二十人は越えていたとも云われるが、それほどの女性を侍らせながらも、彼はついに、実子には恵まれなかった。威風堂々とした物腰、南蛮人の生母譲りの端整な風貌、加えて、青龍の国の領主、羽柴家に代々受け継がれるという青龍刀を戦場(いくさば)でふるうその姿は、さながら軍神のように剛胆、それでいて、少しも血生臭さもなく、その戦いぶりはさながら舞を見るかのように優美だと讃えられた。
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