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華のしずく~あなた色に染められて~
第7章 【雪の華~華のしずく~】二
「では、なにゆえ―」
徳姫は呟くと、絶句した。
「私のどこがお気に召さぬのであろうか」
徳姫はそう言うと、ガバとその場に打ち伏した。
薄桃色の打ち掛けには裾部分に〝やり竹に梅〟の図柄が薄紅(うすくれない)と黄緑色でそれぞれ刺繍してある。〝やり竹に梅〟は吉祥文の一つで、従順、気品と勢いを表している。打ち掛けの中に着た小袖は竹の色よりやや濃い緑、鶯色に近い。いずれも秀吉が嫁入りに際して新たに仕立てさせた豪華な逸品であった。
徳姫は呟くと、絶句した。
「私のどこがお気に召さぬのであろうか」
徳姫はそう言うと、ガバとその場に打ち伏した。
薄桃色の打ち掛けには裾部分に〝やり竹に梅〟の図柄が薄紅(うすくれない)と黄緑色でそれぞれ刺繍してある。〝やり竹に梅〟は吉祥文の一つで、従順、気品と勢いを表している。打ち掛けの中に着た小袖は竹の色よりやや濃い緑、鶯色に近い。いずれも秀吉が嫁入りに際して新たに仕立てさせた豪華な逸品であった。