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華のしずく~あなた色に染められて~
第8章 【雪の華~華のしずく】 三
徳姫の視線の先を辿り、貞心院が微笑んだ。
「この絵は先々代のご内室さま―清林院(せいりんいん)さまがおん自らお描きになられたものだと亡き殿よりお聞きしました」
「見事な絵でございますね」
徳姫の言葉に、貞心院が小さく頷く。
「京より嫁がれた公卿の姫君であらせられ、たいそう教養のある美しきおん方であったとお伺いしましたが」
手を伸ばせばそこに本当に柘榴があるのではないかと思うほどに巧みに描かれた絵―、徳姫はみずみずしい柘榴の絵に見入った。
「この絵は先々代のご内室さま―清林院(せいりんいん)さまがおん自らお描きになられたものだと亡き殿よりお聞きしました」
「見事な絵でございますね」
徳姫の言葉に、貞心院が小さく頷く。
「京より嫁がれた公卿の姫君であらせられ、たいそう教養のある美しきおん方であったとお伺いしましたが」
手を伸ばせばそこに本当に柘榴があるのではないかと思うほどに巧みに描かれた絵―、徳姫はみずみずしい柘榴の絵に見入った。