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華のしずく~あなた色に染められて~
第8章 【雪の華~華のしずく】 三
「良かったら、着て貰えるであろうか」
「え―」
 徳姫は突然の申し出に眼を見張った。
「でも、これは」
 徳姫が言いかけると、貞心院は笑った。
 風呂敷に包んで大切にしまっておいたのだ、貞心院にとっては、よほど大切な品に相違ない。徳姫が義母の顔を見つめると、貞心院はゆるりと首を振った。
「確かに、この打ち掛けは想い出の品です。されど、そなたに着て頂くのがいちばん相応しいのではないかと思うたのですよ」
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