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華のしずく~あなた色に染められて~
第2章 二
 そんなある日のこと、正式に信成の妻となってひと月も経った日のことである。珠々は自室の障子をすべて開け放って、廊下に座していた。季節は本格的な秋になろうとしていたが、昼間はまだ、うっすらと汗ばむほどである。
 廊下からは飛び石づたいに庭に出られるようになっており、小さな中庭の片隅に石榴の樹が一本植わっているのが見えた。
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