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華のしずく~あなた色に染められて~
第10章 【紫陽花~華のしずく~】一
「されど、姫様。狐の皮をかぶった虎とは、よう申されましたなあ」
 京より付き従ってきた乳母の常磐井が口許に手を当てて、ひそやかに笑う。昨日、秀吉との対面を終えた明子が常磐井に告げた秀吉の第一印象であった。
「もっとも、こちらのお館様は虎ではなく、龍と謳われるお方にございまするが」
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