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華のしずく~あなた色に染められて~
第10章 【紫陽花~華のしずく~】一
―大方、次はどこの国を攻めようかと戦の算段でもしているのであろう。
 明子は心の中で、秀吉を軽蔑した。この野蛮な血に飢えた獣のような男の頭の中はいつも人を殺すことばかりしか考えていないのだ。明子は吐き捨てるように心の中で呟いた。
 その時、漸く秀吉がゆっくりと眼を開いた。むろん、左は眼帯に覆われている。燭台のろうそくの明かりだけの寝室は淡い闇が垂れ込めている。その薄い明かりに照らされて、秀吉の右眼が蒼く見えた。
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