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華のしずく~あなた色に染められて~
第11章 【紫陽花~華のしずく~】二
つまりは、秀吉も自分と同じ憐れむべき者同士なのだ。報われぬ恋に身を灼きながらも、なおも愛しい者の面影を忘れることができない。そう思うと、眼の前のこの傲岸な男に不思議な親しみを覚えた。
秀吉が空になったグラスに酒を注ぐ。飲めば飲むほど酔うどころか、冷めてゆくのが秀吉の酔い方であるようだった。その姿は少しも酒を愉しんでいるようには見えず、むしろ何かを忘れたいがために飲み、更に深みにはまってゆくようにすら見える。
秀吉が空になったグラスに酒を注ぐ。飲めば飲むほど酔うどころか、冷めてゆくのが秀吉の酔い方であるようだった。その姿は少しも酒を愉しんでいるようには見えず、むしろ何かを忘れたいがために飲み、更に深みにはまってゆくようにすら見える。