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華のしずく~あなた色に染められて~
第11章 【紫陽花~華のしずく~】二
 その夜。
 異国めいた寝所の中で、明子は秀吉と共にいた。今夜は、秀吉はまだ姿を見せてはおらず、明子はしばし秀吉を待つことになった。 寝所に入ってくるなり、秀吉はいきなり明子を抱き寄せた。いつものように枕許には異国の酒が用意されていたが、グラスを手にすることはなかった。
 秀吉の逞しい胸に引き寄せられた明子の眼に、涙が浮かんだ。
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