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華のしずく~あなた色に染められて~
第12章 【残菊~華のしずく~】序章
「五喜様、五喜様」
 ほら、遠くから藍丸様の呼び声が聞こえてくる。藍丸様はきっと五喜を探しているのだ。何故なら、二人は隠れ鬼をして遊んでいた最中だったのだから。
 ここは庭の中でも比較的丈の低い樹々の茂みに隠れて、人目にはあまりつかない。だから、藍丸様もなかなか私を見つけることができないのだろう。五喜が夢中になって木の葉を集めていると、眼の前の茂みがガサリと音を立てて揺れた。
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