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華のしずく~あなた色に染められて~
第2章 二
「誰がそちにそのようなことを申したのじゃ」
 むろん、珠々が応えるはずもなかった。若い侍女たちの他愛もないお喋りを偶然、物影で耳にしたにすぎないのだ。一々、信成に話すほどのことでもなく、ましてや、無責任な噂を城内に流したとして、彼女たちが罰せられても困る。
 信成は珠々が端(はな)から正直に噂の出所を話すことはないと判っているらしく、深く追及はしなかった。
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