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華のしずく~あなた色に染められて~
第13章 【残菊~華のしずく~】一
藍丸―今は既に元服して時治と名乗っている―とのあの日の約束は今も五喜の心の奥底に大切にしまっている。時寿に報告したわけではないが、藍丸改め時治と五喜の幼い約束は既に時寿も気付いているようだ。現に、時治と五喜はあれからもずっとひそやかに恋を育んでおり、互いに生涯を共にするならばこのひと以外にはおらぬとまで思うようになっている。
時寿はいずれ時治と五喜を娶せてやろうという心づもりからも、五喜に適齢期の娘らしくなれと言っているのだ。
時寿はいずれ時治と五喜を娶せてやろうという心づもりからも、五喜に適齢期の娘らしくなれと言っているのだ。