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華のしずく~あなた色に染められて~
第13章 【残菊~華のしずく~】一
 それでも思い切ったように言ってのけた時寿を、五喜は茫然と見返した。
「お館様の許へ―、この私がでございますか」
 時寿は頷いた。
「そなたは元々は人質としてこの国へ参られた。本来ならば、お館様のおん眼の届くお城で暮らされるのが筋であったれど、まだ幼いゆえに我ら夫婦がお預かりしておったのじゃ」
「―? どういうことにござりまするか?」
 五喜は時寿の言葉の意味を計りかねた。
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