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華のしずく~あなた色に染められて~
第13章 【残菊~華のしずく~】一
 噛んで含めるような時寿の言葉に、五喜は何も言えなかった。七歳のときから温かく育ててくれた時寿には口では言い尽くせぬほどの恩義がある。時寿の言うように、秀吉の命には背けない。秀吉から側室にという話があった以上、時治、この砂山家の行く末を思えば、五喜と時治の約束は絶対に口には出せないことであった。
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