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華のしずく~あなた色に染められて~
第2章 二
「わしがまだ元服前の童(わらわ)の頃のことじゃ。父が病で亡くなった。まだ二十歳過ぎであった。その砌、わしは漸く三歳での、父亡き後、城主となりこの国を統べるようにはなったが、むろん、名目だけの領主であった。その後見役として、当時の家老真邊時房(まなべときふさ)が立ち、実質上の領主として執務をすることになった。その時房というのは、わしの父の実の弟に当たる。時房は物心ついた時、子のない先の家老の養子となったのじゃ」
ここまで話すと、信成は小さな息を吐いた。
ここまで話すと、信成は小さな息を吐いた。