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華のしずく~あなた色に染められて~
第16章 【夢のなか~華のしずく~】 光の祈り人
 と、誤って手が滑り、扉が大きな音を立てて閉まった。だが、無心で聖なる歌を歌う人々は何の反応も示さない。町外れの小さな教会は今日も信者で溢れんばかりであった。秀吉がホッとして最後列の椅子に腰を下ろした時、すぐ隣の娘がそっと振り向いた。
「静かにして、今はミサの最中なのよ」
 白いほっそりとした指を唇に当て、少女は真面目な顔で言った。色の白い、美しい少女だった。まるで一輪の可憐な花のようだ。
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