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華のしずく~あなた色に染められて~
第18章 【花紋~華のしずく~】 一
その指笛を合図とするかのように、ほどなく小鳥たちがどこからともなしに飛んできて、彼女の周りに集まった。可愛らしい小鳥たちの姿に眼を細め、懐から取り出した小さな錦の巾着を開く。中には米粒が入っており、麗子はそれを指先でつまむと、しゃがみ込んだ足許にたむろっている小鳥たちに与えた。
小鳥たちが嬉しげにさえずり、地面に散らばった米粒を仲好くついばむ。麗子は、その愛らしい光景をひとしきり微笑んで眺めた。