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華のしずく~あなた色に染められて~
第20章 【朱夏~華のしずく~】
が、それも無理からぬ話だった。今の藍丸はといえば、赤い鶴丸を織りだした小袖に、長い黒髪を解き流した、どこから見ても少女にしか見えないなりをしているのだ。元々、少年の姿でいてさえ、美少女と見まがうほどの美しさである。
大体、兄たちの悪ふざけも度が過ぎるにも程があった。長兄の時寿(ときとし)がお屋形様のご用で多忙、ここのところ屋敷に滅多とおらぬのを幸いとばかりに、すぐ上の二人の兄たちの悪戯は日毎に苛烈を極めている。
大体、兄たちの悪ふざけも度が過ぎるにも程があった。長兄の時寿(ときとし)がお屋形様のご用で多忙、ここのところ屋敷に滅多とおらぬのを幸いとばかりに、すぐ上の二人の兄たちの悪戯は日毎に苛烈を極めている。