パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第20章 【朱夏～華のしずく～】

「藍丸は女子の着物を着るのが趣味か」
　秀吉が面白げに言った。声に揶揄の響きがあり、秀吉が怒っていないのは判ったが、主君をたばかった罪は罪である。藍丸が恐縮して、ひたすら頭を下げていると、秀吉は豪快な笑い声でその不安を消し飛ばした。
「良い。流石の俺もまんまと騙されたわ。真にどこから見ても、女にしか見えぬ。まだ年若ながら、その美しさ、いずれはさぞや美しうなろうと思い、側に召し上げようと思うたが―」