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華のしずく~あなた色に染められて~
第22章 其の壱~飛花~
実子のおらぬ秀吉は、妹の八重姫の生んだ子、つまり彼には甥に当たる松若丸を幼時から手許に引き取り、我が子として育てた。松若丸は長じて元服後は秀継と名乗り、秀吉の後嗣として常に義父の傍に付き従っている。
秀吉は見かけも威風堂々とした美丈夫であり、南蛮人の生母譲りの彫りの深い端整な美しさと加えて身分の上下に拘わることなく誰とでも気さくに接するその大らかさ、度量の大きさという人間的魅力を余すことなく兼ね備えていた。