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華のしずく~あなた色に染められて~
第22章 其の壱~飛花~
―息子たるもの、父より常に一歩退いておかねばならぬ。
秀継は常の如く、穏やかな微笑を刻んで応えただけだったが―。恐らく、そんなところが秀継の彼らしさなのだろうと、帰蝶は思う。
上洛して十一目の夜、本仁寺では秀吉の右大臣拝賀の祝宴が賑々しく催された。関白二条通房(にじょうみちふさ)の嫡子典房(のりふさ)の北ノ方(正室)は秀吉の養女寧子(やすこ)(養母は側室左京局)であり、秀継の同母姉に当たることから、両者は縁戚関係にもあり、親しく言葉を交わした。
秀継は常の如く、穏やかな微笑を刻んで応えただけだったが―。恐らく、そんなところが秀継の彼らしさなのだろうと、帰蝶は思う。
上洛して十一目の夜、本仁寺では秀吉の右大臣拝賀の祝宴が賑々しく催された。関白二条通房(にじょうみちふさ)の嫡子典房(のりふさ)の北ノ方(正室)は秀吉の養女寧子(やすこ)(養母は側室左京局)であり、秀継の同母姉に当たることから、両者は縁戚関係にもあり、親しく言葉を交わした。