パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第22章 其の壱～飛花～

「敵勢はいかほどか」
　問えば、時治はひざまずいたまま言上する。
「百騎ほどにござりまする」
「―」
　秀吉が口をつぐんだその時。表の方で激しく刀の打ち合う音が響き渡った。
「殿、されば、どうぞすみやかにここよりお逃げ下さりませ！　今宵、本仁寺は手薄にて、わずかな警護の者どもも皆、宴の酒に酔うておりまする。これ以上、ここにおわすのはおん身の危険かと存じまする」