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華のしずく~あなた色に染められて~
第1章 【華のしずく】 ~出逢い~
そんな時、父はただ笑って、何も言わず母の繰り言を聞き流していた。どちらかと言えば感情の起伏の激しい母をなだめ、いつもゆったりと笑っていた―、珠々にとって父はこの世で最も頼りにできる存在であった。
そんな父が流行病(はやりやまい)で亡くなったのは、突然の出来事であった。その年、珠々たちの暮らす森の近くの町でも疫病が大流行した。その病に冒され、病気らしい病気をしたこともなかった父は、寝付くことたった三日で呆気なく息を引き取ったのだ。
そんな父が流行病(はやりやまい)で亡くなったのは、突然の出来事であった。その年、珠々たちの暮らす森の近くの町でも疫病が大流行した。その病に冒され、病気らしい病気をしたこともなかった父は、寝付くことたった三日で呆気なく息を引き取ったのだ。