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華のしずく~あなた色に染められて~
第23章 【夕桜~華のしずく~】其の弐~夕桜~
と、秀康が近寄ってきて、帰蝶の顎に手をかけてグイと上向かせた。凍てついた眼差しが氷の刃のように帰蝶の心を刺し貫く。
「美しいな。引き込まれそうな眼だ。この眼に俺は惚れた。安堵いたせ、俺には側妾はいるが、正室はおらぬ。正式な室とし迎え、大切にしてやる。俺の子を生めば、そなたはお袋様じゃ。次の領主の生母として思いのままに過ごせよう。惚れた女子は可愛がってやるゆえの。直に兄上のことなど忘れさせて、俺に夢中にさせてやるわ」
「美しいな。引き込まれそうな眼だ。この眼に俺は惚れた。安堵いたせ、俺には側妾はいるが、正室はおらぬ。正式な室とし迎え、大切にしてやる。俺の子を生めば、そなたはお袋様じゃ。次の領主の生母として思いのままに過ごせよう。惚れた女子は可愛がってやるゆえの。直に兄上のことなど忘れさせて、俺に夢中にさせてやるわ」