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華のしずく~あなた色に染められて~
第24章 【夕桜~華のしずく~】 其の参~山梔子(くちなし)の夜~
そんな自分が汚らわしく、厭わしいものに思え、帰蝶はその夜、秀康が眠りに落ちてから後、一人で障子戸を開け、庭先の縁に座って、物想いに耽った。
心とは反対に、秀康の腕の中で夜毎身悶える我が身がおぞましいものに思えてならない。このままでは、辛うじて保っている心まで壊れ、いつか秀康が言ったとおり、帰蝶は遠からず自分の方から秀康に身体を開くのではないかとすら思えてしまう。