この作品は18歳未満閲覧禁止です
華のしずく~あなた色に染められて~
第24章 【夕桜~華のしずく~】 其の参~山梔子(くちなし)の夜~
「そなたがその夢についてきてくれるというのか?」
背を向けたまま秀康が言う。
帰蝶は頷いた。
「正直申し上げて、今はまだ、秀康様のことを良人として愛せるかどうかは判りませぬ。されど、戦のなき世を作って下さると申されるのならば、私はそのお手伝いをさせて頂きとうございます」
秀康の瞳は深い孤独を宿していた。
そんな男をどうして、むざと一人で行かせることができるだろう?