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華のしずく~あなた色に染められて~
第24章 【夕桜~華のしずく~】 其の参~山梔子(くちなし)の夜~
羽柴秀康―、のちに松平姓に復し、松平英康と改名し、羽柴秀吉亡き後の天下を掌握する男である。
一六〇五年、英康は青龍の国から江戸に移り、ここに幕府を開き、征夷大将軍に任ぜられる。居城を江戸城に定め、将軍ただ一人の男子が足を踏み入れる後宮は〝大奥〟と呼ばれた。その大奥の最初の女主人は賢容院登美子(けんよういんとみこ)(元の名を帰蝶という)。英康の兄秀継の妻であり、秀継の死後、英康の正室となり、御台所となった女性である。
一六〇五年、英康は青龍の国から江戸に移り、ここに幕府を開き、征夷大将軍に任ぜられる。居城を江戸城に定め、将軍ただ一人の男子が足を踏み入れる後宮は〝大奥〟と呼ばれた。その大奥の最初の女主人は賢容院登美子(けんよういんとみこ)(元の名を帰蝶という)。英康の兄秀継の妻であり、秀継の死後、英康の正室となり、御台所となった女性である。