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華のしずく~あなた色に染められて~
第25章 【花屑(はなくず)~華のしずく~】
 寧子は小さな吐息をつくと、泣いている掬姫を差し招いた。
「お掬、いらっしゃい」
 途端に掬姫が走って、寧子の腕に飛び込んだ。それを庭に一人取り残された鞠姫が憮然と眺めている。
 その時、庭の向こうから人影が立ち現れた。
「おやおや、ここは賑やかで愉しそうでございますな」
 寧子は眼を瞠った。思わず懐かしい名を呼んでいた。
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