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O……tout……o…
第1章 おとうと
 12

 その時…

 ビカッ、ドッ、ドドーン…

 突然、激しい稲光と轟音、そして震えるほどの地響きと共に雷が落ちた。

 パツン…

「きゃぁぁっ」

 そしてその雷による停電により、ドライヤーが止まり、また、再び…
 ビカッ、ドッ、ドドーン…
 さっきより強めに落雷した。

「きゃぁぁぁっ…」
 わたしはその落雷の衝撃に叫び、怯え、震え、無意識に立ち上がり…

「きゃぁぁ、しんちゃんっ」
 そう叫びながら、隣のしんちゃんの部屋へ飛び込んだ。

「あっ..……」

 そして…
「きゃぁ…しんちゃぁん……」
 悲鳴を上げながら、寝ているベッドへとダイブする。

「えっ」

「あっ、え、あ、あー……ちゃん……」

 だが、そのわたしの目に写ったのは…

「え…………」

 下半身ハダカで…
 右手で握ったままで固まり…
 そして左手には…
 左手にはピンクの布地を握られ…

 驚愕の、いや、焦り、焦燥、パニック気味なしんちゃんの姿が…

 つまりそれは…

 わたしのピンクのパンティを握り、下半身を握り、オナニーをしていた…であろう、しんちゃんの驚きに硬直した姿であった。

「え………………」
 わたしはその予想だに、いや、色々と聞いていたし、勉強もしていたし、知ったつもりでいたのだが…
 やっぱりしんちゃんにはあり得ない…
 と、とても想像できないでいたのだが、この目の前のリアルな姿の衝撃に、言葉が、ううん、絶句してしまっていた。

「あ、あ、い、いや、あ、ち、違う……」
 そしてしんちゃんのパニックに…

 だが、三度目の…

 ビカッ、ドッ、ドドーン…

 より激しい雷鳴にわたしは…

「きゃぁぁぁっ…」
 その雷鳴の衝撃と轟音に恐怖し…
 しんちゃんに完全に抱きついてしまったのだ。

「あ、あぁ、あーちゃん……」
 すると抱きついてきたわたしをしんちゃんは…
 そう呟きなから、抱き締めてきたのである。

「あ…………」

 その抱きつき、抱き締められたわたしの右の太腿には、初めての不思議な…
 固い、肉の感触が…

 そして…
『フツーの、ノーマルな男子は100%するんだから…』
 という先輩の声が、心に聞こえてきていた。





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