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エロ本を拾っただけなのに <女子高生・優香>
第28章 《2本の線》
──【2023年 夏(8月)】
「お母さんは……あなたがどこに行っているのか、本当は全部知っているのよ」
リビングに響いた香代子の声に、優香の頭は真っ白になった。
母の冷え切った眼差し。それは確信に満ちていた。これ以上嘘を重ねても無駄だと、優香の本能が警鐘を鳴らす。
「……お母さん、あのね」
重苦しい沈黙に耐えきれず、優香は震える声で口を開いた。
「私……お付き合いしている人が、いるの。恋人、みたいな……」
パシンッ、と空気が弾けるような音がした錯覚に陥った。
香代子の顔が、怒りと絶望で無惨に歪んでいく。夫の浮気と裏切りによって精神が限界に達していた香代子にとって、娘が秘密裏に男と通じ、外泊を繰り返していたという事実は、許しがたい「裏切り」そのものだった。
「恋人ですって……? この家が、お父さんの浮気でこんなにめちゃくちゃになっている時に……あなたは男の部屋で、そんな……っ!」
香代子の金切り声がリビングに響き渡る。
「お母さんがどれだけ苦しんでいたか知らずに! 隠れて男と入り浸るなんて、ふざけないで!」
投げつけられる罵声。そこには娘を案じる気持ちよりも、自身の不幸を棚に上げて快楽に溺れていた娘への憎悪が入り混じっていた。
「ごめんなさい、お母さん、ごめんなさいっ……!」
狂乱する母の姿に恐怖した優香は、持っていたバッグを抱きしめたまま、逃げるように実家を飛び出した。
「お母さんは……あなたがどこに行っているのか、本当は全部知っているのよ」
リビングに響いた香代子の声に、優香の頭は真っ白になった。
母の冷え切った眼差し。それは確信に満ちていた。これ以上嘘を重ねても無駄だと、優香の本能が警鐘を鳴らす。
「……お母さん、あのね」
重苦しい沈黙に耐えきれず、優香は震える声で口を開いた。
「私……お付き合いしている人が、いるの。恋人、みたいな……」
パシンッ、と空気が弾けるような音がした錯覚に陥った。
香代子の顔が、怒りと絶望で無惨に歪んでいく。夫の浮気と裏切りによって精神が限界に達していた香代子にとって、娘が秘密裏に男と通じ、外泊を繰り返していたという事実は、許しがたい「裏切り」そのものだった。
「恋人ですって……? この家が、お父さんの浮気でこんなにめちゃくちゃになっている時に……あなたは男の部屋で、そんな……っ!」
香代子の金切り声がリビングに響き渡る。
「お母さんがどれだけ苦しんでいたか知らずに! 隠れて男と入り浸るなんて、ふざけないで!」
投げつけられる罵声。そこには娘を案じる気持ちよりも、自身の不幸を棚に上げて快楽に溺れていた娘への憎悪が入り混じっていた。
「ごめんなさい、お母さん、ごめんなさいっ……!」
狂乱する母の姿に恐怖した優香は、持っていたバッグを抱きしめたまま、逃げるように実家を飛び出した。

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