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エロ本を拾っただけなのに <女子高生・優香>
第29章 《消えゆく不安と、1つの決意》
──【2023年 夏(8月)】
産婦人科で新しい命の存在を告げられ、聡に「俺たちの子供だ」と抱きしめられたとき、優香の胸にあったのは間違いなく純粋な喜びだった。
しかし、一夜明けてベッドの中で目を覚ますと、静かな部屋の空気と共に、冷たい「現実」が容赦なく押し寄せてきた。
(私、お母さんになるんだ……)
まだ自分のお腹は平らなままだ。けれど、ここに確かに命がある。
喜びの感情が引いていくにつれ、優香の頭の中は途方もない不安で埋め尽くされていった。
私はまだ大学に入学したばかりの学生だ。それなのに妊娠してしまった。結婚すらしていない。そして実家では、両親が泥沼の離婚劇を繰り広げ、唯一の家族である母からは激しい怒りを買い、絶縁状態になっている。
これから、どうやって生きていけばいいのだろう。大学はどうなるの。お母さんは……。
考えれば考えるほど、足元に真っ暗な穴がポッカリと開き、そこに呑み込まれそうになる。優香は毛布を被り、声を出さずにポロポロと涙をこぼした。
「優香……? どうした、泣いてるのか?」
隣で目を覚ました聡が、優香の震える背中に気づき、優しく抱き寄せてきた。
「聡さん……っ」
その温もりに触れた瞬間、堪えきれなくなった感情が堰を切って溢れ出した。
「怖いよ……。昨日、聡さんが喜んでくれたのは、すっごく嬉しかったの。でも……私、まだ学生なのに……結婚もしてないのに、どうしたらいいの? 大学にも行けなくなる……お父さんとお母さんは離婚するのに、私までこんなことになって……もう、頭の中がぐちゃぐちゃで……っ」
泣きじゃくりながら吐き出される、支離滅裂な不安の数々。
聡は嫌な顔1つせず、優香がすべてを吐き出し終えるまで、その小さな背中をさすり続けた。
「ごめんね、優香。1人で不安にさせてしまって」
優香の涙が少し落ち着いたのを見計らい、聡は彼女の目をまっすぐに見つめた。
産婦人科で新しい命の存在を告げられ、聡に「俺たちの子供だ」と抱きしめられたとき、優香の胸にあったのは間違いなく純粋な喜びだった。
しかし、一夜明けてベッドの中で目を覚ますと、静かな部屋の空気と共に、冷たい「現実」が容赦なく押し寄せてきた。
(私、お母さんになるんだ……)
まだ自分のお腹は平らなままだ。けれど、ここに確かに命がある。
喜びの感情が引いていくにつれ、優香の頭の中は途方もない不安で埋め尽くされていった。
私はまだ大学に入学したばかりの学生だ。それなのに妊娠してしまった。結婚すらしていない。そして実家では、両親が泥沼の離婚劇を繰り広げ、唯一の家族である母からは激しい怒りを買い、絶縁状態になっている。
これから、どうやって生きていけばいいのだろう。大学はどうなるの。お母さんは……。
考えれば考えるほど、足元に真っ暗な穴がポッカリと開き、そこに呑み込まれそうになる。優香は毛布を被り、声を出さずにポロポロと涙をこぼした。
「優香……? どうした、泣いてるのか?」
隣で目を覚ました聡が、優香の震える背中に気づき、優しく抱き寄せてきた。
「聡さん……っ」
その温もりに触れた瞬間、堪えきれなくなった感情が堰を切って溢れ出した。
「怖いよ……。昨日、聡さんが喜んでくれたのは、すっごく嬉しかったの。でも……私、まだ学生なのに……結婚もしてないのに、どうしたらいいの? 大学にも行けなくなる……お父さんとお母さんは離婚するのに、私までこんなことになって……もう、頭の中がぐちゃぐちゃで……っ」
泣きじゃくりながら吐き出される、支離滅裂な不安の数々。
聡は嫌な顔1つせず、優香がすべてを吐き出し終えるまで、その小さな背中をさすり続けた。
「ごめんね、優香。1人で不安にさせてしまって」
優香の涙が少し落ち着いたのを見計らい、聡は彼女の目をまっすぐに見つめた。

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