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エロ本を拾っただけなのに <女子高生・優香>
第7章 《秘密の共有》
優香の思考が停止した。
全身の血の気が引き、指先が冷たくなる。

『もし違っていたら、この手紙ごと捨てて欲しい。
 でも、もし同じ人だったら……君はこの世界に興味があると思っていいのかな?
 もし、もっとすごいのが見たかったら、またプレゼントするよ。
 その代わり、どんなシーンが印象に残ったのか教えて欲しい。
 君が求める本を用意するから』

(なに、これ?)

後悔と恐怖が波のように押し寄せてくる。
普通に考えれば、こんな本が都合よく何度も置かれているはずはなかった。

(誰かが拾わせようとして、わざと……)

こんな気味の悪い雑誌はすぐに捨てるべきだ。そう思った。

しかし、優香は捨てられなかった。
恐怖と同時に、胸の奥底から湧き上がってくる「ある感情」があったからだ。

(もっと凄い……私が求めるシーン……)

快楽を覚え始めた優香にとって、それは悪魔の誘惑だった。
誰にも言えない、親にも友達にも知られたくないこの欲望を、この手紙の主は叶えてくれようとしている。

(誰かもわからない……。ん、でも、この人も私のことは知らないみたい……)

優香の思考は、自分の快楽を満たすため、都合よく働いていた。

(顔も名前も知らない同士なら……匿名のSNSと同じだよね)

視線は、手紙の続きへと戻った。
恐怖はいつしか、得体の知れない期待と興奮へとすり替わっていた。

『印象に残ったシーンをメモに書いて、ベンチの裏の隙間に挟んでおいて欲しい』

机に向かった優香は、メモ用紙にペンを走らせた。

『女の人が、顔に白いのをかけられているところ』

そう書き終えたとき、優香はかつてないほどの興奮を覚えていた。
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