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海に漂う星屑のように
第1章 大事な手紙
☆☆☆
クソ!・・・もうちょっと・・・なのに!!

ちゃぷちゃぷと波立つ海、次第に離れていく『手紙』を俺は必死で網で掬おうと試みていた。欄干にロープを結びつけ、乗り越えた先の不安定な足場でもって、ギリギリ身体を乗り出して懸命に釣り人から借りた網で海を掬う。

しかし、手紙はどうやら目に見えるよりも深くに沈んでいるようで、それになかなか網が届くことはなかった。

釣り人も自身の竿などでなんとか取ろうと努めてくれたが、それも徒労に終わってしまった。

と・・・取れねえか・・・!?
クソ、クソ・・・っ!

「えええい!!イライラする!!」

こうなったら!

俺は欄干を乗り越えて、一旦、地面の方に戻る。そして、網を釣り人に差し戻すと、コートと上着を脱ぎ、ズボンのベルトに手をかけた。
こうなったら、俺が飛び込んで・・・

「ちょ・・・お兄さん!」
裸になろうとしている俺を、今度は男の方が止めた。

「なんだよ、あれ、大事なんだろ?」
あれのために、お前自分が飛び込もうとしたじゃないか・・・だったら・・・。
しかし、男は首を振った。
「もういい・・・よ・・・」

俺の服の裾を掴んだまま、彼は小さく言ったきり、黙り込んでしまった。

俺は脱ぎかけたズボンをぐいと、上げる。
そうこうしている内に、『手紙』は、その青をより濃くしていき、ついに海の中に消えてしまった。
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