この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
『春のうつろい』
第9章 春爛漫(春らんまん)
 1

「残業お疲れさま…」
 後ろから課長がそう声を掛けてきて…
 周りに見えない様に、わたしの机に、いつもの黄色の付箋を置いてきた。

「ありがとうございます…」
 わたしはさりげなくそう応え、こっそりその付箋を見る。

『○○H2511』

 それは…
『○○ホテルの2511号室』
 という逢瀬の意味。
 メールでもなく…
 LINEでもなく…
 小さな付箋にての、敢えて二人の連絡用のアナログツール。

 そしてそれは、二週間振りの逢瀬の誘い…
 いつものわたし達は、週一回のペースで逢っていた。
 
 週一回…
 それは、彼、課長の個人的な、いや、一方的な理由から。

 だが、月に一度、オンナのわたしには、休憩を取らなくてはならない一週間という時間が起きる…
 だから、必然的に月に三日、月またぎで四日、そんな逢瀬のペースであった。

 だから今夜は、そんなオンナの休憩明けからの誘い…
 そして…
 あの夜から、二週間振りの秘密の誘い。

 そう、あの夜から……

 あの土日休み明けの月曜日の昼前に、わたしと課長は偶然エレベーターで遭遇した。
 
 周りで誰が見ているかわからないから… 
 だからわたし達は、会社内では、仕事上以外では、ほとんど会話を交わさない。

 そして、そのエレベーターでも他の社員が同乗していたので、一瞬のお辞儀と目配せのみではあったのだが…
 彼は…
 横並びの彼は、スッと左手を上げ、チラとわたしを見てきたのだ。

 それは、つまり…
 左手薬指にあるはずのモノを意味し…
『知らないか?』
 と、目で問うてきた。

 指輪を知らないか?………

「……………」

 わたしは黙って小さく首を振る。




/43ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ