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『間違い』電話
第8章 『失意』
「賢…」


「顔…上げて…」


「ふふ…」


見上げた尚子の顔は…穏やかに微笑んでいた。


その笑顔に…悪意は感じられなくて…


尚子はただ…ちゃんと自分を見て欲しいだけなんだろうか…。


だったら…それくらい付き合ってやってもいいのかもしれない。


自分の中の焦燥感を…優越感に刷り変える。


掻き消え出した理性は…

瞬く間も無く…

本能に乗っ取られていく。



俺は押し付ける様に、尚子の唇に自分のを重ねた。



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