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『間違い』電話
第9章 『調理』
クチュ…ピチュ…チュパ…


唾液の音が、唇と舌を絡ませる度に鳴り響く。


「ふふ…」


少し離れた時に、尚子が薄っすらと微笑んだ…。


「どうした…」


尚子は頬を擦り寄せて、耳元で甘く囁く…。


「賢…今度一緒に行きたい所があるの…」


「行きたい所?どこ?」


「まだ内緒…でも、賢ならきっと…手に入れてくれると思って…」
 

『手に入れてくれる』


こんな風に、尚子が物をねだるのは珍しい…。


「何か欲しいモノでもあるのか?ブランド品とか?」


「うふふふ…お楽しみ…」


尚子は楽しそうに微笑みながら、またキスをしてきた。



一瞬…暗がりの中に…


小さな三日月が…



浮かんでいた気がした…。


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