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『間違い』電話
第10章 『標的』
ドクドクドク…

頭の中で色んな事が駆け巡り、収集が付かなくなりそうだった…。


尚子の望みは…
ヒロミと旦那を別れさせる事…。


それには、俺がヒロミを手に入れる事…。


本当に…それがベストなのか?


根本的に、何から始まったんだ…。


関わり合いが無かった糸を…更に縺れさせようとしてるんじゃないか?


でも…ヒロミが居なかったら…

俺と尚子は、こんな関係に為らなかった…。


麻里に騙されながらも…

一緒に居られたんだ…。


騙されながら……いや…


麻里は、俺のプロポーズを受け入れ無かっただろう…。


もしかしたら、いつか会社の上司と結婚したんじゃないか…。


その時も傷付くなら…尚子でも居てくれただけ、今の方がマシなんじゃないか…?


唇を離した尚子は…呆然としている俺に


「賢…二人でヒロミに復讐してやりましょう…あの女のせいで、傷付いたのよ…私たち…」


「私…たち…」


俺は…尚子を静かに抱き締めた。

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