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『間違い』電話
第11章 『誘導』
「岩村さん…奥さん…精神的にご病気らしくて……色々と辛かったそうで…」


まぁ…確かに尚子は、病んでるよな。


「でも…岩村さんは旦那なんだから…それで宏実さんを巻き込むのは間違いでしょ…」


「違うんです!巻き込んだのは私の方です!」


あぁっ!
あんた達の庇い合いに付き合ってる暇は、無いんだよ!


どっちもどっちだろ!


面倒臭いなっ!


「宏実さんっ!」


「野上っ…んんっ!」


俺は宏実の顎を掴み、押し付ける様に唇を重ねた…。


尚子まで小柄じゃないが、宏実も細身だから力尽くで、ベッドまで連れて行こう思えば出来るが…


尚子が望む映像は、宏実も同意してベッドインする雰囲気だ…。


映画の撮影でも無いんだから、そんな上手くいく訳ないだろう。


取り敢えず、しばらくソファーでその気にさせるしかない。


「んぐ…んん…」


宏実は何とか唇を離そうとしたが、腰も頭も力一杯抱え込んでるから、びくともしない。


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