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第11章 『誘導』

「宏実…宏実……」


手を伸ばして頬に当てると、宏実は小さく微笑んだ…。


ドクン…


胸の鼓動と共に、ムスコも脈打つ。


「あっ！…熱…い…ぁ…」


宏実の手が…重なる。


尚子は…もしかして、ここまで想定してたんだろうか…。


確実に旦那を奪い返すため…


俺が宏実を気に入ってしまえば…


もう旦那は、宏実には戻らないと…



尚子なら、やりそうだ…。