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『間違い』電話
第12章 『遭遇』
強めに言い放つと、尚子の目からポロポロと涙が落ち始めた。
「な…なによ…賢…あの人も…宏実…宏実って…」
「おい…泣く事ないだろ…」
慌てて尚子を抱き締める。
「ひっく…賢も…あわよくば…宏実とくっ付こうって…ひっく…思ってるんでしょ…」
ドッキン!
女の勘は鋭いって言うけど、尚子は特に鋭い…。
「でもさ…もし…俺が宏実を引き付けてたら、旦那は戻って来ないだろ…」
「いやっ!宏実には、何も渡さないわよ!」
尚子は凄い形相で叫んだ。