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『間違い』電話
第13章 『思索』
「悔しい…?」


「だって…賢は麻里と結婚するつもりだったんでしょ?」


麻里が出て行ったのは…


結婚指輪を買って帰った日…。


昨日見たカードが…送り付けられた日…。


「あのカードが…無ければ…」


「麻里は出て行かなかった…訳ではない…そう思わない?」


『そろそろ…潮時かしら…』


昨晩の麻里の言葉が頭から離れない。


「兼子がいなければ…麻里は誑かされなかったのよ…」


「え…誑かされた?」


「えぇ…麻里は…兼子に利用されてるのよ…」


そう言った尚子の口は…いつもの三日月に見えた…。



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