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第13章 『思索』

「とにかく…もう会社に行くから…」


気付くと何時もの時間になってしまっていた。


「賢っ！」


「遅刻するから行くぞ！」


これ以上話してると、頭が混乱してくる。


「誰一人として、同情しちゃダメよ！」


玄関で靴を履く背中に、尚子が叫ぶ。


「賢！貴方は被害者なんだから！」


ズキン…
胸が小さく痛む…。


「分かったよ！！」


バッタンッ！


勢い良くドアを閉めて、急ぎ足で駅に向かった。